副甲状腺疾患
副甲状腺は、喉ぼとけの近くにある小さな臓器で、通常は米粒ほどの大きさです。主な役割は、血液中のカルシウム濃度を適切に保つことです。カルシウムは、骨の健康維持だけでなく、神経や筋肉の働き、血液の凝固など、生命維持に不可欠な役割を担っています。副甲状腺疾患は、この副甲状腺の機能に異常が生じ、カルシウムのバランスが崩れることで様々な症状を引き起こします。
副甲状腺の病気は、ホルモンの過剰な分泌や機能低下によって、高カルシウム血症や低カルシウム血症を引き起こし、骨や腎臓、神経、心臓など全身に影響を及ぼすことがあります。当院では、内分泌代謝内科の専門医として、副甲状腺疾患の早期発見と適切な治療に力を入れています。迅速な検査体制と、多摩総合医療センターとの連携により、患者さん一人ひとりに合わせたきめ細やかな診療を提供いたします。
副甲状腺疾患の原因
副甲状腺疾患の主な原因は以下の通りです。
原発性副甲状腺機能亢進症
最も一般的な原因で、副甲状腺自体に異常が生じ、副甲状腺ホルモン(PTH)が過剰に分泌されます。多くは副甲状腺の良性腫瘍(腺腫)が原因ですが、まれに副甲状腺の癌が原因となることもあります。
続発性副甲状腺機能亢進症
慢性腎不全などが原因で、血液中のカルシウム濃度が低下し、その結果、副甲状腺が刺激されてPTHが過剰に分泌されます。これは、腎臓がカルシウムを再吸収する能力が低下したり、活性型ビタミンDの産生が低下したりするために起こります。
その他の原因
- 遺伝性疾患-多発性内分泌腫瘍症(MEN)などの遺伝性疾患も、副甲状腺機能亢進症の原因となることがあります。
- 薬剤-一部の薬剤、特に利尿薬などが、カルシウム濃度に影響を与え、副甲状腺機能に影響を及ぼすことがあります。
副甲状腺疾患の種類
副甲状腺疾患には、大きく分けて以下の種類があります。
副甲状腺機能亢進症
副甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気で、血液中のカルシウム濃度が異常に高くなります。原発性、続発性、三次性などがあります。症状としては、骨の痛み、腎臓結石、吐き気、便秘、脱力感、精神的な変化などが現れることがあります。
副甲状腺機能低下症
副甲状腺ホルモンの分泌が低下する病気で、血液中のカルシウム濃度が異常に低くなります。原因としては、手術による副甲状腺の損傷、自己免疫疾患、遺伝性疾患などがあります。症状としては、筋肉の痙攣、しびれ、テタニー(筋肉の硬直)、精神的な変化などが現れることがあります。
副甲状腺癌
まれな病気ですが、副甲状腺に癌ができることがあります。進行すると、首の腫れや痛み、声のかすれなどの症状が現れることがあります。
副甲状腺疾患の症状について
副甲状腺疾患の症状は、血液中のカルシウム濃度の異常によって引き起こされます。症状は、高カルシウム血症または低カルシウム血症のいずれかによって異なります。
高カルシウム血症の症状
- 骨の痛み-骨からカルシウムが溶け出すため、骨が弱くなり、痛みが生じることがあります。
- 腎臓結石-過剰なカルシウムが腎臓に蓄積し、結石を形成することがあります。
- 消化器症状-吐き気、便秘、食欲不振などが現れることがあります。
- 神経・精神症状-脱力感、疲労感、集中力低下、うつ状態、錯乱などが現れることがあります。
- 心血管症状-高血圧、不整脈などが現れることがあります。
低カルシウム血症の症状
- 筋肉の痙攣-筋肉が勝手に収縮し、痙攣を起こすことがあります。
- しびれ-手足や口の周りにしびれを感じることがあります。
- テタニー-筋肉の硬直が起こり、呼吸困難などを引き起こすことがあります。
- 精神症状-不安感、うつ状態、記憶障害などが現れることがあります。
- 心血管症状-不整脈、心不全などが現れることがあります。
副甲状腺疾患の治療法について
副甲状腺疾患の治療法は、疾患の種類や原因、症状の程度によって異なります。
薬物療法
副甲状腺機能亢進症の場合、カルシウム値を下げる薬や、骨吸収を抑制する薬が使用されることがあります。副甲状腺機能低下症の場合、カルシウム製剤やビタミンD製剤が投与されます。
手術
原発性副甲状腺機能亢進症の場合、原因となっている副甲状腺の腫瘍を切除する手術が行われることがあります。内視鏡を用いた低侵襲手術も可能です。当院と連携している多摩総合医療センターでは、高度な技術を持つ専門医が手術を担当しますのでご安心ください。
生活習慣の改善
カルシウムやビタミンDの摂取量を調整したり、適度な運動を行うことが、副甲状腺疾患の管理に役立つことがあります。特に、腎機能が低下している場合は、リンの摂取量を制限することが重要です。
定期的な検査
副甲状腺疾患の治療中は、血液中のカルシウム濃度や副甲状腺ホルモン濃度を定期的に測定し、治療の効果や副作用を評価する必要があります。当院では、HbA1c値などが当日にわかる迅速検査を行っており、スピーディーな治療方針の決定が可能です。
副甲状腺疾患についてのよくある質問
Q1. 副甲状腺の病気は遺伝しますか?
A1. 一部の副甲状腺疾患は遺伝することがあります。多発性内分泌腫瘍症(MEN)などの遺伝性疾患は、副甲状腺機能亢進症の原因となることがあります。家族歴がある場合は、定期的な検査を受けることをお勧めします。
Q2. 副甲状腺の手術は難しいですか?
A2. 副甲状腺の手術は、解剖学的に複雑な部位であるため、専門的な知識と技術が必要です。当院と連携している多摩総合医療センターでは、経験豊富な専門医が手術を担当しますのでご安心ください。内視鏡を用いた低侵襲手術も可能です。
Q3. 副甲状腺の病気は、食事で改善できますか?
A3. 食事療法は、副甲状腺疾患の管理において重要な役割を果たします。カルシウムやビタミンDの摂取量を調整したり、リンの摂取量を制限することが、症状の改善に役立つことがあります。しかし、食事だけで完全に治癒することは難しいため、適切な医療機関での治療と併用することが重要です。
院長より
副甲状腺疾患は、早期に発見し適切な治療を行うことで、症状の改善や合併症の予防が期待できます。当院では、内分泌代謝内科の専門医として、患者さん一人ひとりの状態に合わせた最適な治療を提供いたします。女性医師(副院長)も在籍しており、甲状腺疾患など女性に多い病気や、ホルモンバランスに関わるデリケートなお悩みについても、同性として親身に寄り添い、きめ細やかな診療を行います。
国分寺駅から徒歩3分とアクセスも良く、平日夜20時まで、土日も診療を行っていますので、お仕事帰りや休日など、ライフスタイルに合わせて無理なく通院を継続できる環境を整えています。気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。丁寧な対話を通じて、患者様ご自身がご自分の体に「気づき」を得て、納得して治療に取り組めるようサポートします。皆様の健康を心より願っております。
