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妊娠と糖尿病

妊娠中の糖代謝異常には「妊娠糖尿病(GDM)」「妊娠中の明らかな糖尿病」「糖尿病合併妊娠」の3種類があります。それぞれ定義と管理方針が異なりますが、いずれも適切に管理することでお母さんと赤ちゃんへのリスクを大幅に下げることができます。

なぜ妊娠中は血糖が上がりやすいのか

妊娠中は胎盤からインスリン拮抗ホルモンが分泌され、インスリンの効き目が低下します(妊娠後期には非妊娠時の約50%に低下)。膵臓のインスリン追加分泌が追いつかないと血糖値が上昇します。

妊娠中の血糖・糖尿病に関するご相談・ご予約

「健診で血糖値を指摘された」「妊娠前から糖尿病がある」など、些細なご不安でもお気軽にどうぞ。

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3つの分類と診断基準

妊娠糖尿病(GDM)

妊娠中に初めて発見された、糖尿病に至らない糖代謝異常です。妊婦の約10%に合併します。75g OGTTで「空腹時92mg/dL以上・1時間値180mg/dL以上・2時間値153mg/dL以上」のいずれか1点以上を満たした場合に診断されます。

妊娠中の明らかな糖尿病

空腹時血糖126mg/dL以上またはHbA1c 6.5%以上の場合がこれにあたります。妊娠前から見逃されていた糖尿病や、1型糖尿病の新規発症を含みます。より厳格な管理が必要です。

糖尿病合併妊娠

妊娠前から糖尿病と診断されている状態です。妊娠前からの計画的な血糖管理(プレコンセプションケア)が特に重要になります。

先天異常は妊娠前からの管理が鍵

赤ちゃんの心臓・神経管は妊娠5〜8週頃に形成されます。この時期の高血糖が先天異常リスクを高めるため、糖尿病のある方は妊娠を計画する段階からHbA1c 6.5%未満を目標に管理を整えることが重要です。

母体・赤ちゃんへのリスク

管理が不十分だと、母体には妊娠高血圧症候群・帝王切開・尿路感染・早産などのリスクが高まります。赤ちゃんには巨大児・新生児低血糖・難産・先天異常のリスクがあり、将来的な肥満や2型糖尿病のリスクも高まることが知られています。
妊娠糖尿病を経験した母体の将来リスクとして、次回妊娠での再発率は約48〜54%と高く、将来の2型糖尿病発症リスクが健常者の約7.4倍に上るといった報告があります。産後のフォローアップが非常に重要です。

妊娠中の血糖管理

血糖コントロールの目標は、空腹時95mg/dL未満・食後1時間140mg/dL未満・食後2時間120mg/dL未満・HbA1c 6.0%未満(許容6.5%未満)です。

食事療法

1日の食事を5〜6回に分ける「分割食」が推奨されます。適正カロリーを確保しながら食後高血糖を抑えることが基本です。極端な糖質制限は赤ちゃんへの悪影響(ケトン体産生)があるため禁忌です。赤ちゃんに必要な栄養をしっかり摂ることと血糖管理を両立させることが大切です。

インスリン療法

食事療法だけでは目標値が達成できない場合にインスリン療法を開始します。インスリンは胎盤を通過しないため、赤ちゃんへの直接的な影響はありません。日本では経口血糖降下薬は妊娠中の使用が推奨されておらず、妊娠希望の段階でインスリンへの切り替えが必要です。

妊娠前管理(プレコンセプションケア)

糖尿病のある女性が妊娠を希望する場合、妊娠前からの準備が不可欠です。以下の5点が特に重要です。

  • HbA1c 6.5%未満を達成する
  • 経口薬・GLP-1受容体作動薬を中止しインスリンへ切り替える
  • 降圧薬(ACE阻害薬・ARB)やスタチンも安全な薬へ変更する
  • 網膜症・腎症の状態を妊娠前に評価して安定させる

「妊娠したい」と思ったら、早めに主治医にご相談ください。

産後のフォローアップ

産後6〜12週に75g OGTTによる耐糖能の再評価を受けることが推奨されます。その後も1〜3年ごとの定期検査と体重管理・生活習慣の改善を続けることが将来の2型糖尿病予防につながります。

当院の特徴

内分泌代謝内科に精通した女性副院長が在籍しており、妊娠中の血糖管理・産後甲状腺炎のスクリーニングなど、女性特有のお悩みにも親身に対応しています。HbA1cは当日中に結果をご説明。必要に応じて産科・周産期医療機関と連携し、スムーズにご紹介いたします。

妊娠中の血糖・糖尿病に関するご相談・ご予約

「健診で血糖値を指摘された」「妊娠前から糖尿病がある」など、些細なご不安でもお気軽にどうぞ。

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よくある質問(FAQ)

 

Q1. 妊娠糖尿病と言われました。赤ちゃんに影響はありますか?

適切に管理できればリスクを大幅に下げられます。管理が不十分だと巨大児・新生児低血糖・難産・将来の肥満リスクなどが高まります。食事療法やインスリンで目標血糖値を維持することが大切です。

Q2. 出産したら治りますか?

多くは産後に血糖値が正常化しますが、将来の2型糖尿病発症リスクが約7.4倍と高いため、産後6〜12週に精密検査を受け、定期的な検診を続けることが重要です。

Q3. 妊娠前から飲んでいる薬は続けられますか?

経口血糖降下薬・降圧薬(ACE阻害薬・ARB)・スタチンなど多くの薬は妊娠中の使用が推奨されません。妊娠希望の段階で主治医に相談し、インスリンなどへの切り替えが必要です。

Q4. インスリン注射の赤ちゃんへの影響はありますか?

インスリンは胎盤を通過しないため、赤ちゃんへの直接的な影響はありません。むしろ高血糖を放置する方が赤ちゃんへのリスクが高いため、インスリン療法は安全かつ必要な治療です。

Q5. 次の妊娠でも妊娠糖尿病になりますか?

再発率は約48〜54%と高いです。次回妊娠前に体重・生活習慣を整え、早めに主治医に相談することが大切です。

Q6. 妊娠中の食事制限はどの程度ですか?赤ちゃんの栄養は大丈夫ですか?

極端な糖質制限は禁忌です。適正カロリーを確保しながら分割食で食後高血糖を抑えます。赤ちゃんに必要な栄養をしっかり摂ることと血糖管理を両立させることが目標です。

Q7. 妊娠糖尿病になったのは自分のせいですか?

生活習慣も関係しますが、妊娠特有のホルモン変化・年齢・遺伝的体質など様々な要因が重なって発症します。自分を責めすぎず、前向きに管理に取り組むことが大切です。

Q8. 妊娠中の運動はしてもよいですか?

合併症がなく、産科医から許可が出ていれば適度な運動は血糖コントロールに有効です。ただし切迫早産や妊娠高血圧症候群のリスクがある場合は制限が必要です。必ず産科の主治医にご確認ください。

院長より

妊娠糖尿病と診断されると、不安な気持ちになるかもしれません。しかし、適切な管理を行えば、母子ともに健康な出産を迎えることができます。当院では、患者さん一人ひとりの状況に合わせたきめ細やかな診療を心がけています。「対話」を重視し、病気への「気づき」と「納得」を大切にしておりますので、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。

内分泌代謝内科に精通した女性副院長も在籍しており、女性特有のお悩みにも親身に対応いたします。国分寺駅南口徒歩3分、平日は夜20時まで・土日も診療しており、お仕事帰りや休日でも無理なく通院を継続できる環境を整えています。

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