メニュー

1型糖尿病

1型糖尿病は、免疫の異常(自己免疫)によって膵臓のインスリンを作るβ細胞が破壊され、インスリンがほとんど分泌できなくなる病気です。生活習慣とは無関係に発症し、生命維持のために生涯にわたるインスリン補充が必要です。日本の有病率は約0.1%程度ですが、発症のピークは3〜4歳と10〜14歳(思春期)で、成人・高齢者を含むあらゆる年齢で発症します。

1型糖尿病は生活習慣病ではありません

「糖尿病=食べ過ぎ・運動不足」というイメージがありますが、1型糖尿病は自己免疫疾患であり生活習慣は発症に関係ありません。患者さん自身や家族が自分を責める必要はありません。

1型糖尿病の診察・ご相談のご予約

血糖管理・インスリン療法・合併症フォローなど、お気軽にご相談ください。

ご予約はこちら

1型糖尿病の3つのタイプ

  • 劇症1型糖尿病は、平均約4日という非常に短い期間で発症します。日本に多いタイプで、糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)に至りやすいのが特徴です。自己抗体は原則として陰性であり、診断・治療が遅れると命に関わるため、症状に気づいたら速やかに医療機関に受診することが大切です。
  • 急性発症1型糖尿病は、数週〜数ヶ月かけて発症する最も多い典型的なタイプです。抗GAD抗体などの自己抗体が陽性になることが多く、比較的診断がつきやすいのが特徴です。
  • 緩徐進行1型糖尿病(SPIDDM)は、半年〜数年単位でゆっくりと進行するタイプです。抗GAD抗体が陽性であることが多く、発症初期は2型糖尿病と間違われやすいのが難点です。病気の進行とともに徐々にインスリンが必要になっていきます。

症状と診断

インスリン不足による高血糖から、強い口渇・多尿・急激な体重減少・強い疲労感が現れます。進行すると吐き気・嘔吐・腹痛・過呼吸・意識障害を伴う「糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)」という緊急状態に陥ることがあります。特に小児・若年者では症状が急激に現れることが多いため、注意が必要です。
診断には血糖値・HbA1cに加え、GAD抗体・IA-2抗体などの膵島関連自己抗体と、自己インスリン分泌量を調べるCペプチドの測定を行います。当院ではHbA1cを当日中に測定できる迅速検査を導入しており、早期発見・早期治療に努めています。

原因

主な原因は、自己免疫反応による膵臓β細胞の破壊です。何らかのきっかけで免疫システムが誤って自分のβ細胞を攻撃し、インスリンを分泌できなくなります。遺伝的な要因も関与していますが、ウイルス感染などの環境因子が重なって初めて発症すると考えられており、一卵性双生児でも発症一致率は30〜50%程度です。

インスリン療法の基本

インスリンは生命維持に不可欠で、自己判断での中断は命に関わります。「基礎インスリン(持効型:空腹時の血糖を安定させる)」と「追加インスリン(超速効型:食前に注射する)」を組み合わせた強化インスリン療法(basal-bolus療法)が標準的な治療法です。目標HbA1cは7.0%未満ですが、低血糖を避けることが大前提です。

インスリンの主な種類

  • 持効型インスリン:基礎インスリンを補うために1日1〜2回注射します。
  • 超速効型インスリン:食後の血糖値上昇を抑えるために食事の直前に注射します。
  • 混合型インスリン:持効型と超速効型が混合されたもので1日2回注射します。

CGM(持続血糖測定)

腕や腹部などにセンサーを貼り付けるだけで約10日〜2週間、痛みなく血糖の変動をスマートフォンで確認できる機器です。指先穿刺の痛みなしに24時間血糖を把握でき、夜間の気づきにくい低血糖の発見にも非常に有効です。

インスリンポンプ(CSII)

携帯型ポンプから24時間持続的にインスリンを皮下注入する方法で、時間帯ごとの細かな血糖調整が可能です。インスリンポンプの導入・管理は対応可能な医療機関へご紹介いたします。

食事療法・運動療法

食事療法

食べてはいけないものは基本的にありません。1日の適正カロリーとバランスを守った食事を心がけることが大切です。血糖値を安定させるために、炭水化物・タンパク質・脂質のバランスを意識し、食物繊維を多く含む食品(野菜・海藻・きのこなど)を積極的に摂るようにしましょう。

運動療法

適度な運動は血糖値を下げ、インスリンの効果を高めます。ウォーキング・ジョギング・水泳などの有酸素運動を1日30分以上・週3回以上行うことが推奨されます。ただし運動中・後はインスリンが効きやすく低血糖を起こしやすいため、運動前後に血糖を測定し補食(おにぎり・ジュースなど)の準備が必要です。

低血糖とシックデイへの対応

低血糖への対応

血糖値が70mg/dL未満になる低血糖では、冷や汗・動悸・手の震えが現れます。重症化すると意識を失うこともあります。症状に気づいたらすぐにブドウ糖10gまたはジュースを摂取してください。低血糖を繰り返すと前兆を感じにくくなる「無自覚性低血糖」になる危険があります。
意識がない状態で飲み物を飲ませると窒息の危険があります。その場合はブドウ糖や砂糖を歯茎と唇の間に塗り込み、すぐに救急車を呼んでください。

シックデイ(病気の日)の対応

風邪・胃腸炎などで食事が摂れない日でも、基礎インスリンは絶対に中断しないことが大原則です。病気のときはストレスホルモンの影響で血糖が上がりやすく、インスリンを中断するとDKAを引き起こします。こまめに血糖を測定し、水分と糖質を少しずつ摂って主治医の指示に従ってください。

他の自己免疫疾患との合併

1型糖尿病は自己免疫疾患であるため、他の自己免疫疾患を合併しやすい傾向があります。最も多いのは橋本病・バセドウ病などの自己免疫性甲状腺疾患です。当院では内分泌代謝内科も専門としているため、甲状腺疾患のスクリーニングや管理も含めてサポートできます。

日常生活・社会生活について

1型糖尿病があっても、適切な血糖管理と周囲の理解があれば、仕事・学業・スポーツ・旅行など健康な方と変わらない人生を送ることができます。修学旅行やフルマラソンに参加している患者さんも多くいます。学校・職場に対して低血糖時の対処法を事前に伝えておくと安心です。

当院の特徴

糖尿病内科専門医の院長と内分泌代謝内科に精通した女性副院長が連携し、血糖管理・合併症予防・甲状腺疾患のスクリーニングまで一貫してサポートします。HbA1cは当日中に結果をご説明。インスリンポンプ導入など高度な対応が必要な場合は多摩総合医療センターをはじめ適切な医療機関へスムーズにご紹介します。

1型糖尿病の診察・ご相談のご予約

血糖管理・インスリン療法・合併症フォローなど、お気軽にご相談ください。

ご予約はこちら

よくある質問(FAQ)

 

Q1. 一生インスリンを打ち続けなければなりませんか?

インスリン分泌能の程度にもよりますが、基本的にはインスリンは生命維持に不可欠です。ただしCGMの普及で管理の負担は大きく軽減されています。自己判断での中断は命に関わるため絶対に行わないでください。

Q2. 食事の制限はありますか?食べたいものは食べられますか?

食べてはいけないものは基本的にありません。適正カロリーとバランスを守った上で、食事の糖質量を意識してインスリン量を調整していくことで、健康な方と同様に食事を楽しめます。具体的な食事の目安は診察時にご相談ください。

Q3. 運動はできますか?低血糖への対処は?

もちろん運動は可能です。ただし運動中・後はインスリンが効きやすく低血糖を起こしやすくなります。運動前後に血糖を測定し、インスリン量の調整や補食(おにぎり・ジュース等)の準備が必要です。

Q4. シックデイのときインスリンはどうすればよいですか?

食べられなくても基礎インスリンは絶対に中断しないことが大原則です。病気のときはストレスホルモンの影響で血糖が上がりやすく、インスリンを中断するとDKAを引き起こします。こまめに血糖を測り水分と糖質を少しずつ摂り、判断に迷ったら早めにご連絡ください。

Q5. 意識を失うほどの重篤な低血糖が起きた場合、周囲はどうすればよいですか?

意識がない状態で飲み物を飲ませると窒息の危険があります。ブドウ糖や砂糖を歯茎と唇の間に塗り込みや、グルカゴンの投与を実施し、すぐに救急車を呼んでください。

Q6. CGM(持続血糖測定)とはどのような機器ですか?

腕や腹部にセンサーを貼り付けるだけで約10日〜2週間、痛みなく血糖の変動をスマートフォンで確認できる機器です。夜間の気づきにくい血糖変動を把握でき低血糖の予防に非常に有効です。ご希望の方はご相談ください。当院では、リブレセンサーやG7を取り扱っております。

Q7. 1型糖尿病があっても妊娠・出産はできますか?

可能です。ただし妊娠中は血糖管理がより重要になります。妊娠前からHbA1c 6.5%未満を達成し、合併症(網膜症・腎症)の状態を確認しておくことが推奨されます。妊娠を希望する場合は早めにご相談ください。

院長より

1型糖尿病は、患者さんご自身による自己管理が非常に重要な病気です。血糖コントロールを良好に保つためには、インスリン療法を適切に行い、食事療法や運動療法を継続する必要があります。最初は戸惑うこともあるかと思いますが、当院では患者さん一人ひとりに寄り添い、丁寧な指導を心がけています。

血糖測定の方法・インスリン注射の仕方・食事の選び方・運動のポイントなど、わかりやすくご説明いたします。また、合併症の予防についてもしっかりとサポートします。何か不安なことや疑問なことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。多摩総合医療センターでの勤務経験を活かし、必要に応じて適切な医療機関へのご紹介も可能です。

1型糖尿病の診察・ご相談のご予約

血糖管理・インスリン療法・合併症フォローなど、お気軽にご相談ください。

ご予約はこちら

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME